金属加工分野において、レーザー切断技術は高精度かつ高効率であることから広く普及しています。しかしながら、レーザー切断後の鋼板の反りは、メーカーや材料サプライヤーにとって大きな悩みの種となっています。本稿では、この問題の原因を探り、適切な解決策を提示します。
1. レーザー切断と内部応力
レーザー切断は、高エネルギーレーザービームを用いて材料を溶融または気化させることで切断を行う熱切断技術です。この過程で、材料に元々存在していた内部応力が解放され、新たな内部応力が形成されます。反りは通常、これら2つの内部応力の複合作用によって発生します。
2. 鋼板の反りの原因
- 材料の内部応力:鋼板は製造、輸送、保管中に内部応力を生じている可能性があります。
- プロセスの問題: レーザー切断中に、局所的な過熱や不適切な切断曲線の設計によっても反りが生じる可能性があります。
3. 鋼板の反りの原因を判断する方法
鋼板の反りが材質の問題か工程の問題かを判断するには、フリップテスト法で判断できます。
鋼板を裏返して再度レーザーカットを実行します。
反りの方向が変わるということは、鋼板がひっくり返ると同時に反りもひっくり返ることを意味し、これは材料の内部応力の問題です。
方向が変化しない場合は、鋼板がどのように変化しても、プロセスの影響により反りが同じ方向のままであることを意味し、レーザー切断工程に問題がある可能性があります。これは、実際の操作において最も単純かつ効率的な判断方法です。
4. 解決策
- 材料の内部応力:鋼板矯正機を使用して応力を緩和します。ローラーの数が多いほど、ローラーの直径が小さいほど、鋼板矯正機の圧力が深いほど、応力緩和効果は向上します。
- プロセスの問題: レーザー切断プロセスを調整します。たとえば、セグメント切断を使用して最初に片側を切断し、反対側が冷却された後に切断を継続して、局所的な過熱を減らします。
5. 高度なストレス解消機器
鋼板矯正機のほかに、低圧延力レベラーや張力レベラーなどのより専門的な応力緩和装置があります(たとえば、熱間圧延平板は通常、平坦度が優れています)。
6. 品質と効率のバランスをとる
実際の生産においては、切断品質と効率のバランスをとる必要があります。工程を調整すると切断効率が低下する可能性がありますが、製品品質を大幅に向上させることができます。
7. 結論
レーザー切断後の鋼板の反りの問題は扱いが難しいものの、適切な方法と設備を用いることで効果的に解決できます。メーカーは、製品の品質と生産効率を確保するために、具体的な状況に応じて適切な応力緩和技術とプロセス調整戦略を選択する必要があります。
投稿日時: 2025年4月10日