加工技術の観点から見ると、熱間圧延は熱間加工、冷間引抜は冷間加工です。熱間圧延は再結晶温度以上の温度で圧延し、冷間圧延は再結晶温度以下の温度で圧延します。
外観で区別する:冷間圧延シームレス鋼管は表面が明るく、熱間圧延シームレス鋼管よりも直径が小さい。一方、熱間圧延シームレス鋼管は冷間圧延シームレス鋼管よりも直径が大きく、表面には明らかな酸化スケールや赤錆が見られる。
精度の面では、冷間圧延シームレス鋼管の精度は熱間圧延シームレス鋼管よりも高く、価格も熱間圧延シームレス鋼管よりも高くなります。
用途面では、熱間圧延鋼管は流体輸送、機械構造など、大型化が要求されない箇所に使用され、冷間圧延鋼管は精密機器、油圧システム、空圧など、要求の高い箇所に使用されます。肉厚面では、冷間引抜シームレスパイプは熱間圧延シームレスパイプよりも均一です。
熱間圧延シームレスパイプのメリットとデメリット:メリットは、熱間圧延によってインゴットの鋳造組織を破壊し、鋼の結晶粒を微細化し、ミクロ組織の欠陥を排除することで、鋼組織が緻密になり、機械的性質が向上することです。デメリットは、1.鋼の厚さ方向の引張特性が大幅に低下し、溶接部の収縮時に層間裂が発生する可能性があることです。溶接部の収縮によって生じる局所的なひずみは、降伏点ひずみの数倍に達することが多く、荷重によるひずみよりもはるかに大きくなります。2.冷却の不均一性によって残留応力が発生し、変形、安定性、耐疲労性などに悪影響を与える可能性があります。
プロセスフロー:
熱間圧延(押出シームレス鋼管):丸管ビレット→加熱→穿孔→3本ローラー斜圧延、連続圧延または押出→デパイピング→サイジング(または縮径)→冷却→ビレット管→矯正→水圧検査(または探傷)→マーク→保管。
冷間引抜(圧延)継目無鋼管:丸管ビレット→加熱→穿孔→ヘッダー加工→焼鈍→酸洗→塗油(銅メッキ)→多パス冷間引抜(冷間圧延)→ビレット→熱処理→矯正→水圧試験(探傷)→マーキング→入庫。
投稿日時: 2022年8月18日